ナショナルサイクルルート情報まとめ
ナショナルサイクルルート について情報をまとめます。
ナショナルサイクルルートの状況
2019年11月7日に3ルートが確定しました。
今後は、第3回 ナショナルサイクルルート制度検討小委員会 配付資料の資料1 NCR指定制度のなかで、
「新規追加ルートの有無の確認などのフォローアップは、計画期間内に1回とし、3~5年ごとに実施する」
と記載されていることから当分の間はこの3ルートで行くようです。
全体像
お金関係(令和二年度の予算)
観光の持続的な発展に向けた施策の着実な推進 [422 億円(1.32)]
の一部になっているようです。
http://www.mlit.go.jp/page/content/001304337.pdf
道 路 関 係 予 算 概 算 要 求 概 要
http://www.mlit.go.jp/page/content/001305579.pdf
検討経緯(ナショナルサイクルルート制度検討小委員会)
小委員会配布資料の中からピックアップ
ナショナルサイクルルートの 制度及び要件について
https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/ncr/pdf02/02.pdf
ナショナルサイクリングルートの情報発信の在り方について
サイクリングルート(ビワイチ、霞ヶ浦、しまなみ)ホームページ比較2 ナショナルサイクルルートの情報発信のあり方
2019年3月1日に開かれた
第2回 ナショナルサイクルルート制度検討小委員会
にて、「ナショナルサイクルルートにおける情報発信のあり方について」
という資料が配られています。
この中で、情報発信における国と地方の役割分担が示され、「ナショナルサイクルルートの情報発信として考えうるもの」という項目が示されています。
このうち、地方が記載するものとされているもののうち、2019年11月の段階でどのくらい記載されているか、調べました。
ビワイチ、しまなみ、霞ヶ浦の比較です。
ちなみに、この中では、発信される情報はすべて多言語化対応が原則とされています。
結果
ビワイチ | しまなみ | 霞ヶ浦 | |
---|---|---|---|
各ルートの魅力 | 〇 | 〇 | 〇 |
各ルートの地域の文化 | |||
PR動画 | 9個 | 1個 | |
イメージ写真 | 〇 | 〇 | 〇 |
季節・時間帯 | 〇 | ||
ナショナルサイクルルートのロゴの概要 | |||
個別ルートサイト | 〇 | 〇 | 〇 |
イベント情報 | 〇 | 〇 | 〇 |
SNSハッシュタグの設定 | |||
SNS公式アカウントの設定 | FB | FB I Y | |
ルートに関する口コミ・レビュー | |||
ルートの概要(延長・区間) | 〇 | 〇 | 〇 |
ルートにまつわる歴史・文化等 | |||
ルート詳細(マップ) | 〇 | ? | 〇 |
獲得標高 | 〇 | ||
勾配 | 〇 | ||
路面状況 | 〇 | ||
道路管理者名 | |||
GPSデータの ダウンロード | 〇 | ||
通行可否情報(イベント・災害など) | 〇 | 〇 | |
緊急時連絡先等の情報提供 |
分析
3か所とも記載が見つからなかったのが、
1.ナショナルサイクルルートのロゴの概要
2.道路管理者名
3.緊急時連絡先
4.歴史、文化
5.口コミ
6.ハッシュタグ
でした。
1はまだ掲載していないだけでしょう。ただ、「ロゴの概要」とは何か不明です。
2は必要性がよくわかりません。
3は緊急時にワンストップで対応してもらえるところが明記されているとありがたいと思いますが、見つかりませんでした(警察レベルではない緊急時の対応)。
ビワイチは近い内容は記載されていて、トラブル対応にも気を配っているのが高ポイントだと思います。
4は観光地との絡みで記載されているもの(城や寺社の由来など)はもちろんありますが、地域全体としての歴史、文化を紹介しているところは見つかりませんでした。
これも紹介のしかた次第だとは思います。初めて来る人に対しては、観光地毎の由来のようなミクロ視点だけではなく、歴史や文化といったマクロ視点の解説もあったほうが良いと思います。
「ルートにまつわる歴史」となると、もともとルートに歴史的な意味があるもの(例:四国八十八か所)でないと書けないと思います。
5は載せると管理が面倒そうです。
6は3か所とも自己サイトには載っていませんでした。しまなみはインスタグラムに載っています。
3ルート間の違い
観光情報として季節ごとの情報があるとよいと思います。
夏の情報しかないと、冬に行っても何があるかわからないので。
(例えば、しまなみは写真に写っている人がみんな薄着です。)
その点で、霞ヶ浦はカレンダー形式で季節の情報が載っていて、良いと思いました。
比較したサイト
以下の3サイトを比較しています。
ビワイチ
輪の国びわ湖推進協議会
つくば霞ヶ浦りんりんロード
茨城県政策企画部 地域振興課
しまなみジャパン
一般社団法人 しまなみジャパン
shimanami-cycle.or.jp
まとめ
ナショナルサイクルルート制度検討小委員会で話題に上がったものがすべてではありませんし、これを満たさないといけないわけではありません。
むしろ独自の工夫をしていくことが大事だと思いますが、今回は一つの基準として比較してみました。
多摩川サイクリングロード 走りやすいのは狛江調布側or川崎稲城側2 (加減速の分析)
サイクリングロードの走りやすさを見える化しています。
多摩川サイクリングロードの狛江調布側と川崎稲城側を比較しています。
前回は、路面の状態を計測し、両者の違いを見てみました。
今回は加減速を計測しました。
見方
青い線上が計測した場所です。
その中の赤いところが、減速があった場所です。
図の上側が上流、下側が下流です。
図の中に、特殊な原則理由がある場合は説明を入れました。
説明がない場所は、バンプによる減速や、歩行者や対向車に対応するための減速です。
結果
川崎稲城側には、台風の影響による通行止め区間があります。稲城大橋の前後区間と、ニヶ領用水取水口付近のピクニック橋です。迂回のための減速が計測されています。
計測時には、通行者が少なめだったため、その影響は通常よりも少なく出ていると思います。
ピクニック橋は令和元年5月25日にサイクリングロードで最後にできた区間です。
作り方
加減速を計測を計測するスマートフォンアプリを開発しました。ロードバイクに設置し計測し、分析しました。その結果をopenStreetMap上に表示しています。
© OpenStreetMap contributors
サイクリングルート事業予算規模の比較
サイクリングルートの整備に 県が 使っている 予算を比較してみます。
滋賀県、茨城県、広島県の比較です。ほぼ土木建築費用と思われるものは除いてあります。
結果
タイトル | 予算 | 説明 | |
---|---|---|---|
滋賀県 | 「ビワイチ」安全・安心な自転車利用促進事業 | 1610万円 | 「ビワイチ」利用者をはじめ、幅広い自転車利用者等に対して、交通法規・マナーの遵守や自転車損害賠償保険等への加入に向けた啓発活動を実施 |
300万円 | 「ビワイチ」をはじめ県内各地を自転車で気軽に巡ることができ る利用環境の充実や、総合的に自転車情報を発信する環境の整備を進める。 | ||
ビワイチ観光推進事業 | 3027.8万円 | 「ビワイチ」を安全で快適に誰もが楽しめるコンテンツとして確立させるとともに、県内全域への自転車による周遊観光を推進することを通じて、交流人口の増加を図り、地域活性化へつなげる。 | |
茨城県 | いばらきサイクルツーリズム等推進事業 | 1200万円 | 県内各地域におけるサイクルツーリズムの推進・誘客の仕掛け ・モデルコースの設定に向けた専門家の派遣による指導・助言 ・サイクリングガイドの育成 ・全県版サイクリングマップの作成 ・県有施設等へのサイクリングサポート体制(サイクルラック・空気入れ等)の整備 ・多様なサイクリングの楽しみ方を提供するサイクリングイベントの開催 ○自転車活用の普及・啓発 ・シンポジウムの開催、啓発パンフレットの作成、市町村版自転車活用推進計画の策 定支援等 |
広島県 | 観光資産の魅力 づくり | 1895.1万円 | 「しまなみ海道」等 県内サイクリングコースの振興とプロモー ション ・中四国各県と連携した広域サイクリングコースの振興 ・県内サイクリングコースの国内外プロモーション |
サイクリングロードのブランド力向上 (瀬戸内サイクリングロード) | 8000万円 | 利用環境の向上や情報発信,環境改善等を行う | |
サイクリングロードのブランド力向上 (やまなみ街道サイクリングロード) | 480万円 | 国・島根県・関係市町と連携し,情報発信や 環境整備等を行う |
分析
調べた中では、広島県が1億円越でダントツでした。建設費用も含めて分類している県も多いのですが、その中で「ブランド力の向上」というタイトルで8480万円計上しています。(ただし土木局の予算に記載されているので、建設費用も含まれているかもしれません。)
訪問客が多いということで、これからも伸ばしていきたいということでしょうか。元々世界から人が呼べる観光県でもあるということで、この分野の知見もあると思います。
滋賀県は同タイトルで別々の予算が見つかりました。
作り方
各県の平成31年度(令和元年度)の予算公開資料から持ってきました。主に観光部、商工部、土木部 建設部の資料から引っ張って来ています。
出展
予算案の概要
第1回定例会提出 予算関係資料
http://www.pref.ibaraki.jp/somu/zaisei/kanri/documents/h31_tousyo_yosanankankeisiryo.pdf
平成31年度施策及び事業案の概要
商工労働局
土木建築局
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/life/586588_1780448_misc.pdf
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/life/586588_1780450_misc.pdf
サイクリングルート(ビワイチ、霞ヶ浦、しまなみ)ホームページ比較
2019年11月7日ナショナルサイクルルートの発表がありました。
サイクルルートごとの情報提供の充実度、わかりやすさを比較します。
(実際のサイクリングルートの魅力とは直接関係ありません。)
結論
ビワイチ | 霞ヶ浦 | しまなみ | |
---|---|---|---|
出発前に ほしい情報の量( 観光情報など) | 1 | 2 | 3 |
旅行中に ほしい情報の量(トイレ、トラブル対応など) | 3 | 2 | 1 |
目的情報への たどり着きやすさ | 3 | 2 | 1 |
外国語対応 | 1 | 2 | 2 |
数字は得点の意味で、大きいほうが良いことになります。
それぞれの違いが際立つ結果になりました。
ビワイチは、実際にサイクリングをやるときのことを考えて作ってあると思います。一方で観光情報は少ないです。
しまなみは、ルート上の魅力を伝えることを重視していますが、サイクリング中にほしい情報が少なくなっています。また、ほしい情報がどこにあるのかわかりくいです。
霞ヶ浦はその中間で、両方の情報を載せようとしているようです。
ビワイチ
輪の国びわ湖推進協議会
サイクリングマップ
https://www.biwako1.jp/map/?z=5&ll=36.5626_136.713867
に情報が集約されていて見やすい
トラブル時に使える情報が載っている(びわ湖サイクルレスキューなど)
車での来場を推奨していない(ある意味英断)有料駐車場を紹介
英語情報はほぼない?
つくば霞ヶ浦りんりんロード
茨城県政策企画部 地域振興課
駐車場情報が充実
ルートラボからGPX等をダウンロード可能なのが便利
ルートラボはサービス終了するので、そのあとは大変そう
英語と日本語も近づけようとしている
いろいろなマップに分散していて、コースごとに載っている情報が違っているなど、情報をとりにくいところがある
しまなみジャパン
一般社団法人 しまなみジャパン
shimanami-cycle.or.jp
遠方から来る人を意識している
アクセス情報へのリンクは便利
英語情報も充実
情報が地図上にまとまっていない
ページ割が分かりにくい
地図にたどりつくのが大変
シャワー情報がレンタサイクルの下のページにあったり
モデルコースのページがいくつもにも分散していたりする
まとめ
それぞれの場所に応じて、注力している点が違っていて面白いです。
近郊型のビワイチ、全世界から人を呼びたいしまなみ、東京にちかい霞ヶ浦。
ユーザからみた、ホームページの使いやすさではビワイチが一つ抜けていると思います。
しまなみは、一度、情報を整理しなおしたほうが良いと思いました。
多摩川サイクリングロード 走りやすいのは狛江側or川崎側1 (路面の荒れ計測)
多摩川は土手の上が歩道兼サイクリングロードになっています。登戸付近(多摩水道橋)から是政橋までは狛江調布側と川崎稲城側ともに自転車で走ることが可能です。 どちらが走りやすいか、定量化したいと思います。
まずは、路面の荒れを計測します。
結果
見方
横向きの棒グラフで路面の荒れぐわいの計測結果を示します。荒れが大きい場所は赤い棒グラフ、小さい場所は青い棒グラフにしてみました。
分析
下流から上流に見ます。
狛江調布側
1.堤防上はいきなりダートになるのですが、そこは避けて堤防下の舗装道路を計測しています。そこも路面が荒れ気味なので、数値が大きめです。
2.その後しばらく、荒れが少ないきれいな道が続きます。
3.京王相模原線の橋のあたりから巨大バンプがあり、計測結果の数値が大です
4.多摩川原橋から上流もバンプはあるのですが、低いため、数値は小さめです。
バンプ以外はきれいな舗装状態です
5.稲城大橋付近で低めですがバンプが連続しているので、数値が大きいです。
6.是政橋まで、バンプ以外は比較的良好な舗装状態です
川崎稲城側
A.最初は新しい舗装路で、数値は小さいです
B.そこを過ぎるとバンプはないのですが、全般的に路面が荒れ気味なので、数値が大きくなります。京王相模原線付近は比較的良好です
C.初めてバンプがありますが、高さは低めです
D.路面状態はよくなります
E.少し荒れた路面が続きます
F.土手の上は木の根が盛り上がっていて、路面がよくありません。このデータは土手の下側の道路を計測しています。そちらも路面は荒れ気味です。
結論
3付近のバンプはちょっと大きすぎる気がします。歩くくらいまで速度を落とさないと危ないです。(事故が多いのでバンプ設置は必要だと思います)
ですので、多摩川原橋までは稲城側を走って、それ以降は調布側を走るという感じでしょうか?
この区間の川崎稲城側には台風の影響で通行できない場所がありました。台風の爪痕が大きく残っています。
作り方
振動と角速度を計測するスマートフォンアプリを開発しました。ロードバイクに設置し計測しています。
その計測結果を地図上に表示しています。
地図はopenStreetMapを使っています。
© OpenStreetMap contributors
画像
右側に見えているごみは、台風の増水で流れてきて引っかかったものです。
こちらは小さい凹凸です。土手に上がってくる場所の前後に設置されています。
ハレいろ・サイクリング OKAYAMA 片鉄ロマン街道ルートコース勾配
岡山県が作っているサイクリングコース、ハレいろ・サイクリング OKAYAMA 片鉄ロマン街道ルートコース勾配を作成しました。
コース
瀬戸内海の頭島から鹿久居島を通って本州に入り、片上鉄道の跡地のサイクリングロードを通って湯郷温泉から津山に至るルートです。
図の見方
コース上に棒グラフで書いてあります。青が下り赤が上りです。
見やすくするために地図を傾けているので、北が上になっていません。
勾配の特徴
島の中、備前から和気、湯郷付近に勾配がありそうです。
一番の勾配は、備前から和気に至る部分ですが、さほどきつくなさそうです。
5%を超えるような勾配はほぼありません。
作り方
地図はopenstreet mapです。
© OpenStreetMap contributors
地理院タイル (標高タイル)を加工して作成