すごい阿蘇山(阿蘇の歴史を衛星画像tellusで見る)

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阿蘇山すごいです。

2019年8月現在、噴火警戒のため、2019年4月から半径約1km以内への立ち入りは禁止になっています。

阿蘇火山火口規制情報

 

でも前はこんなんじゃなかったような....

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昔の阿蘇山火口(20年ほど前に最後に行ったとき)

火口に水が溜まっています。

地中奥深くまで穴が続いてそうなのになぜ水がたまるのかが不思議ですが、とりあえず置いておいて....

水があったときから、なくなるまでの変化を見てみたくなりました。

そこで、衛星画像を使って、変化の観測をします。

いきなり結果

gifなので色が落ちて画質が悪いですが....

 

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阿蘇火口の変化


2006年から2009年までは火口に水が溜まっていますが、2010年から干上がってきて、2011年には、
ほぼなくなっています。どうやら、水がたまったりなくなったりを繰り返しているようです。

 (今回使った衛星のデータは2011年までしかありません)


作り方

使うのは、日本初のオープン&フリーな衛星データプラットフォームTellus。

これを使って火口付近の過去の衛星画像をタイムラプス動画にします。

 

tellus利用申し込み後、開発環境を申し込みます。

 申し込んでから、使えるようになるまで半月ほどかかりました。

 

tellusにログインして、開発環境に入ります。

ここでAPIを使って、阿蘇山火口データ付近の衛星画像を検索し、とってきます。それから、タイムラプス動画を作るという順序でやっていきます。

APIトークンの取得

tellusのユーザーマイページの「APIアクセス設定」を開いて、APIキー名を入力し、作成ボタンを押すと発行されます。

阿蘇火口の位置調査

阿蘇の場所を調べます。緯度経度を調べました。

min_lat = 32.880127
min_lon = 131.085586
max_lat = 32.886781
max_lon = 131.085940

 タイル画像の場所も調べなくてはいけません。

国土地理院のタイル座標確認ページ阿蘇の位置を調べます。

Z = 14
X = 14157
Y = 6605

使えるデータの調査

今回はAVNIR-2のデータを使います。2006年~2011年地表面解像度:10mの光学データを利用できます。

 

min_lat, min_lon, max_lat, max_lonの4引数で

を使って、検索します。(APIリファレンスのAVNIR-2)

36枚の画像が検索されました。

データ取得

検索結果の、rspID, profuctIDと、先ほど調べた阿蘇火口のタイル座標Z,X,Yを使って以下で取り込むことができます。APIリファレンスではpresetを指定しないといけないように見えるのですが、指定しなくてもデータ取り込み可能でした。


url = "https://gisapi.tellusxdp.com/blend/av2ori/{}/{}/{}/{}/{}.png".format(rspid, productid, Z, X, Y)

 

リストアップ結果

リストアップされた画像に次の問題があります

  1.  撮影範囲ぎりぎりで黒い部分が多い画像がある
  2.  雲量でフィルタリングできない(Landsat-8などできるデータもある)
  3.  同日に連続して撮影されているのでほぼ同じ画像が続いているときがある

これを取り除きます。

画像を読み込んで、ヒストグラムを作成し、黒と白の範囲が多い画像を取り除きます。

類似画像は、検索結果をみて、日付が近いものは1枚だけ選ぶようにしました。

 

そうするとかなり減って13枚になりました。

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撮影範囲の端と雲量が多い画像

 

tellusの利用条件

Tellus の二次成果物は元データが復元できなければ、自由に配布可能なようです。

今回利用した、AVNIR-2 では二次成果物への著作権表記も不要となっています。

このページの画像は、すべて、元データへの復元ができない形になっています。

 

 Aso, Kyushu,volcano,tellus