防災 大規模火災を宇宙から見る9 火災地点を抽出して地図にマッピング(範囲拡大)
オーストラリアの火災は、まだ、収束を迎えていません。
韓国よりも広い面積が被災しているようです。
11月から衛星データで、この状況を観測しています。
今回は地図上へのマッピングを前回よりも範囲を拡大して再作成しました。
結果
見方
2019年の11月1日から2020年1月14日にかけての変化です。
オーストラリアのシドニー、キャンベラ、メルボルン付近で火災が発生している可能性がある場所を赤く示しています。
複数の場所で、同時に火災が発生しています。
日付が進むにつれて、被災か所が広がっていることがわかります。
巨大な被害
土地勘がないと、被災地がどのくらいの範囲なのか分かりにくいと思います。
実は、シドニーとメルボルンの間は直線距離で約700㎞離れています。
これは、東京から広島(680㎞)と同じくらいの距離です。その1.5倍程度の範囲が断続的に火災になっていると考えると、被害の大きさが感じられると思います。
作り方
欧州の人工衛星sentinel-3のデータを使っています。
人工衛星から地表の温度を観測しているので、高温の場所を自動抽出し、地図上に載せています。
時間経過とともに、地図上に高温部を記載することで、延焼範囲をわかりやすくしています。
地図はopenStreetMapです。
Contains modified Copernicus Sentinel data [2019-2020] processed by Sentinel Hub
© OpenStreetMap contributors
限界
- 被災場所であっても、赤くならないところが出ます。
- 人工衛星なので、曇っているとうまく観測できません。ですので、曇っているときに燃えていた場所を観測することができません。雲が晴れたときに、突然被災か所が増えたように見えることがあります。
- 撮影されるのは1日1回のみです。このデータから作っていますので、1日のうち特定の時刻に燃えていた場所だけが累積されます
- 普段から高温の場所(例えば、工場など)も表示されてしまいます